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豊かな心を育む暮らし|01 「AIの時代に、自分で考えるということ」

9月23日
読了時間: 4分

更新日:7 日前



「これでいいのかな」と迷ったとき、あなたは誰に答えを求めますか。

スマートフォンを手に取り、AIに状況を打ち込んで、「どうするのが正しいですか」と尋ねる。そんな場面も、今では、特別なことではなくなりました。


私たちの暮らしの中に、AIが、いつの間にか溶け込んでいます。

わからないことを調べたり、文章を考えたり、時には仕事の相談や、人間関係の悩みを尋ねてみたり。少し前なら誰かに話していたようなことも、今ではAIに向かって、ぽつりぽつりと言葉にすることが、珍しくなくなりました。

私自身も、そんなふうにAIを使うことがあります。とても便利で、自分一人では気づけなかった視点を、そっと教えてもらうこともあります。


そんな中で、最近、ふと思うことがあります。

「AIがそう言っているから、これが正しい」と、そこで立ち止まってしまう瞬間のことです。

思えばこれは、AIだけの話ではないのかもしれません。


「お母さんがそう言ったから」


「先生がそう言ったから」


「専門家がそう言ったから」。


私たちは子どもの頃から、たくさんの人に、たくさんのことを教えてもらいながら、大きくなってきました。

もちろん、それはとても大切なことです。

ただ、そうした積み重ねの中で、「正解は、自分の外側にあるものだ」という感覚が、少しずつ根づいていくこともあるのかもしれません。


自分の考えに、なかなか自信が持てず、「誰かに、正しいと言ってもらえたら安心する」。

そんなふうに感じることも、あるのではないでしょうか。


それは、決して、その人が弱いからではないと思うのです。


これまで生きてきた時間の中で、少しずつ身についていった、考え方の習慣のようなものなのかもしれません。


そして今、その「誰か」の隣に、AIが、そっと並ぶようになったのではないでしょうか。


こんな場面を、想像してみてください。

あるお店で、スタッフの方がお客様の洋服に薬剤をつけてしまい、布の色が抜けてしまったとします。


お客様は「安く買ったものだから、大丈夫ですよ」と、優しく言ってくださったそうです。

こうした時、AIに限られた情報だけを伝えて補償について尋ねれば、「クリーニング代や修理費を負担する」といった一般的な対応が示されることもあるでしょう。


けれど、色そのものが抜けてしまっているのなら、クリーニングをしても、元には戻りません。


そんな時にこそ、少しだけ立ち止まって、「この答えで、本当にいいのだろうか」と、もう一度、自分の心で考えてみる時間が、大切になってくるように思います。


お客様は、どんな気持ちでいらっしゃるだろう。

「大丈夫ですよ」という優しい言葉に、甘えてしまってよいのだろうか。

こちらの不注意だったのだから、きちんと心を込めてお詫びする方が、お互いにとって、気持ちの良いことなのかもしれない。

そんなふうに、想像を巡らせてみる時間です。


そこに、たった一つだけの「正解」があるとは、限らないのだと思います。

人と人との間で起きることには、いつも、その人その人の心があるからです。

では、AIを使わない方がいいのでしょうか。


私は、そうは思いません。


むしろ、AIという存在があるからこそ、自分で考える力を、あらためて育てていけるのではないか。

そんなふうに感じています。


たとえば、AIに一つの答えを尋ねたあと、「別の考え方も、教えてもらえますか」と、もう一言、添えてみる。

そうすることで、自分一人では見えなかった景色を、そっと見せてもらえることがあります。


そして、その景色を眺めながら、あらためて自分自身に、「私は、どう思うのだろう」と、問いかけてみる。


親の言葉も、先生の言葉も、専門家の言葉も、そしてAIの答えも、どれも、大切な「材料」なのだと思います。


ただ、材料と、答えとは、少し違うものです。


いろいろな声に耳を傾けながら、一度、自分の中に、そっと置いてみる。

最初は、自信が持てなくても、良いのだと思います。

少しずつ、自分で感じ、自分で選んでいく。

そのための道具として、AIと付き合っていけたらと、思うのです。


どれほど正しい情報であっても、その伝え方や使い方によっては、誰かの心を、そっと傷つけてしまうことがあります。

反対に、ほんの少し、相手の立場に思いを馳せてみるだけで、その場の空気が、やわらかくなることもあります。


「私は正しい」というところで立ち止まらず、「あの人には、どんなふうに見えているだろう」と、もう一歩だけ、想像を重ねてみる。


正しさの、その先には、いつも、誰かの心があるのだと思います。


便利になることだけが、豊かさではありません。

自分の頭で、静かに考えられること。

相手の気持ちを、そっと想像できること。

違う考えを持つ人とも、穏やかに言葉を交わせること。


AIという新しい道具と共に、私たち自身もまた、少しずつ育っていく。

そんな付き合い方ができたなら、これからの日々が、もう少し、生きやすくなっていくような気がしています。


AIから答えをもらったとき、ほんの少し立ち止まって、

「私は、どう思うのだろう」

と、自分自身にも問いかけてみませんか。


今日も、心に光を。

T.Matsunaga

Founder & Representative / Best Brillanz


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