top of page



見えないものを、大切にできる人へ——石に刻まれた、祈りのかたち
日光の奥の方にいる狛犬さん(私のお気に入りの1枚) 便利になっていく世の中で、目に見えないものは、後回しにされがちです。 数えられるもの、値のつくもの、効率のよいもの。そうしたものが優先され、手で触れられないもの——祈りや、願いや、誰かを想う気持ちは、いつのまにか、暮らしの隅へ追いやられていく。 けれど、本当に人を支えているのは、案外、その見えないもののほうなのかもしれません。 今日は、そんなことを考えるきっかけになった、道ばたの小さな石の話をさせてください。 手を合わせた人が、いた 古い道の辻や、集落の入り口に、苔むした石塔が立っていることがあります。 庚申塔(こうしんとう)と呼ばれるものです。文字も読めなくなり、名前を知る人も少なくなりました。多くの人は、気づかずに通り過ぎていきます。 けれど、その石の前に立って、少しだけ想像してみてください。 三百年前、この同じ場所で、手を合わせた人がいました。旅の安全を願った人。家族の健やかさを祈った人。病が入ってこないように、事故が起きないように、と心を込めた人。名前

Best Brillanz
7月31日読了時間: 5分
bottom of page